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2016年3月3日(木) | ||
第335回高知県議会2月定例会 一般質問 | ||
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1.市町村の現状について | ||
2.雇用と県経済について | ||
3.あったかふれあいセンターについて | ||
4.介護従事者の処遇改善について | ||
5.厳しい環境にある子どもたちへの支援について | ||
6.障がい者差別解消について | ||
7.愛媛県伊方原子力発電所3号機の再稼働について | ||
8.スポーツによる振興について | ||
9.県産材の販売促進に向けた取り組みについて | ||
10.開幕が間近に迫る奥四万十博への期待と支援について | ||
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■大野たつや 私は奇跡の清流と言われる水質日本1の仁淀川、日本最後の清流四万十川、黒潮香る太平洋、そして四国カルストという全国、世界に誇れる美しい山、川、海という自然を有し、そして何より温かで人情あふれる高岡郡より選出いただき、昨年より県議会議員として活動させていただいております。 これまで、県民の皆様をはじめ、先輩、同僚議員の皆様、尾ア知事をはじめ県庁執行部の皆様など、多くの方々に大変お世話になり、活動させていただいておりますことにあらためて感謝を申し上げるものでございます。 私は、高知県の中西部の山間地域、旧吾川村で生まれ、当時は児童館と言っておりましたが、名野川保育所にはじまり、名野川小学校、全国制覇2度のソフトボールの名門、吾川中学校、そして母なる清流仁淀川のほとりにありました、県立仁淀高等学校と全て地元の学校で学ばせていただき、高校卒業と同時に地元自治体の吾川村役場へ奉職後、以降一昨年の8月の退職まで28年間に渡り、山間地域の自治体、役場の職員として、産業、健康福祉、教育、税など様々な業務を経験させていただきました。 その間、役場の事務は、パーソナルコンピュータ、インターネット、電子メールなどの普及により劇的に変化し、また、ふるさと創生事業、介護保険制度の創設、三位一体改革、町村合併など、様々な施策によっても自治体行政の姿、現場は大きく変化してまいりました。 また、地域に存在した、地方法務局や農業改良普及所などといった、国や県の出先機関なども統廃合され、さらには、地域住民の交通を支えてきた国鉄やユニバーサルサービスを担ってきた郵便局も民営化されるなど、そうした時代の流れ、国策などとも連動するように地域からは人も流れ人口の減少が進みました。 地域の人々も行政も様々な取り組みを行うなど一生懸命頑張ってきましたが、その流れを止めることは大変厳しく、私の生まれ育った吾川村は10年前の町村合併により仁淀川町という新しい町に引き継がれその歴史に幕をおろしました。 また、地元の全ての思い出の学び舎は、地域の過疎化、人口の減少とともに次々と廃校などとなってしまい、就職後働きながら学んだ夜間の県立高知短期大学も発展的にとはいえその役目を終えるということで、保育園を含め私自身の卒業した学校がひとつもなくなるという非常に悲しい事態となってしまいました。母校を全て失うということは、想像以上に辛いものであり、時代の流れや地域の過疎化によりやむをえないことではありますが、生まれ育った古里や学校というものは、人々の心のより所であり、心が帰るところでもあります。 私も3人の小学生の子どもを持つ親でありますが、これから先、未来の高知県で、これ以上私のような思いをする子ども達ができるだけ少なくなることを願っております。 そうした経験などから、わたしは、田舎であろうが都会であろうが、どこに住んでいても誰もが毎日を安心安全に心豊かに暮らし、学ぶことができる社会や生活環境、特に教育や福祉に社会のセーフティネットをしっかりつくることが、行政や政治の大きな役目であると思っています。 中山間、奥山間地域では、まだまだ多くの人々が人口減少、自然災害だけでなく時には猿や猪などの鳥獣とも戦いながら田畑を守り、山や川など美しい自然や景観を守り、命の水を守り、そして伝統を守り、何よりその地域を守るために支えあい、助け合いながら頑張っています。そうした厳しい状況の中で頑張っておられる皆様の声を、現場の姿を、県政に、政治に伝えることで、人口減少や縮む経済など多くの課題をかかえる本県の課題の解決のお役にたちたい、また、弱肉強食、格差の拡大する「競争社会」から、支えあい、助け合いのやさしい「共生社会」への一助になりたいとの強い思いをもって、この高知県議会の議場に立たせていただいております。 私自身、大変微力ではありますが、県民の皆様の福祉と生活の向上を目指して、与えられたこの任期を精一杯頑張ってまいりたいと思っておりますので、皆様のご指導ご鞭撻をどうかよろしくお願いいたします。 ![]() 市町村の現状について ■大野たつや 尾ア知事におかれましては、昨年10月に2期連続の無投票で3選を果たしました。 これは全国の知事選では戦後2人目ということで、これまで対話と実行を基本姿勢として尾ア知事が果たしてきた南海トラフ地震対策や産業振興計画、人口減少、中山間対策、日本一の長寿県構想などの施策に対して、県民がそれらを高く評価していることの表れだと思っています。 3期目は特に人口減少への挑戦として中山間対策をもう一歩二歩思い切って前へ進めていただきたい、私も少しでもそのお役にたてればと思うものであります。 その尾ア知事にこうして県議会という場で質問をさせていただくという機会をあたえていただきました多くの皆様に心から感謝しながら、最初の質問をさせていただきたいと思います。 高度経済成長とともに、社会が経済や効率化を優先させ都市部は勝ち組、地方は負け組という価値観が知らぬ間に植えつけられ、子どもたちや若者の多くが都市部の学校、企業へと進みました。そうしたことによりこの国は目覚ましい発展をとげてきた面もありますが、その代償として地方から働き手や担い手が極端に少なくなってしまいました。 近年では地方に残って頑張ってきた人達の安心安全を作ってきた、公共サービスも行財政改革などにより、縮小、減少が進んできました。今後も様々な要因から、人口の減少は益々進むことが予想されますが、人も財源も少ない、そのような地域、エリアで、いかに行政サービス、公共サービスを維持・確保・継続していくのかが問われる時代になってきているように思います。 小泉政権時代から、国際競争時代に対応するために、雇用規制の緩和、法人税の減税、東京の大規模インフラ整備などといった、東京一極集中の強化策が進められてきた一方で、「聖域なき構造改革」により、地方は国の財政削減の対象となり、市町村合併や地方交付税の削減、指定管理者制度の導入、公共事業の縮小など様々な改革が行われてきました。いわゆる平成の大合併から10年が過ぎましたが、本県では市町村数が53市町村から34市町村となり、面積的にも大小様々な自治体が混在することとなりました。 また、この10年間で廃校休校となった公立学校は県内で80校にもなり、国勢調査による人口も6万7千人余りが減少しています。 そうした現状今後の基礎自治体のあり方なども踏まえ、平成の市町村合併など、いわゆる小泉構造改革による地方自治体改革の検証を行うことが必要と考えますが尾ア知事のご所見をお伺いします。 現在の安倍政権においては、東京オリンピックの誘致、TPP対策など東京の国際的競争力の強化は進めながらも、地方の強化策として、国主導による「地方創生」の取り組みが行われています。 地方創生は、過疎高齢化が進む地方への配慮とも言える政策でありますが、地方版総合戦略づくりについては、国が全国の自治体を競わせるような、上から目線的な計画策定には少し違和感を覚えますが、それぞれ各自治体は限られた時間の中で懸命に策定作業を行っています。 また、国の経済財政諮問会議においては、歳出削減を進めた自治体の経費水準を地方交付税算定に反映させる新たな仕組み「トップランナー方式」の導入が重点課題とされ、行政コストの「見える化」などによる更なる地方の行財政改革が進められようとしています。 そうした状況下で、様々な権限が地方へ移管され業務も多様化、複雑化する中、厳しい財政状況や限られた人員で、福祉や防災など地域の公共サービスの維持拡充に取り組みながら、地方版総合戦略の策定にも取り組んでいる市町村の姿、現状について、尾崎知事の目にはどのように映っているのかお伺いします。 ●尾ア正直知事 一連の小泉構造改革につきましては、日本経済の停滞、デフレの継続化、経済活動等国民生活に大きな不安を与えていた時代背景の中で、財政や社会保障制度の維持可能性の確保などへの対応策として行われたものと承知しております。 平成の市町村合併もこうした改革の一つとして行われたもので、本県においても一定合併が進んだりしたところであります。 しかし、少子高齢化、人口減少といった根本的な課題が進行していく中、厳しい行財政状況のもとで、合併、非合併を問わず、全ての市町村において、それぞれの地域で大変な御苦労があり、そして、それぞれ精一杯その解決に向けて取り組んでこられたというのが、この間の推移かと認識をいたしております。 三位一体改革では、地方の自主財源の充実は不十分に終わった一方で、地方交付税が大幅に削減され、地方交付税の持つ財源保障機能と財源調整機能が弱体化したことにより、都市と地方の財政の格差が拡大しました。その後、本県を初めとする条件不利地域からの政策提言等により、地方法人税の創設など、都市と地方の財政の格差を縮小するための取り組みが行われてきているところであります。 市町村は住民の皆さんに最も身近な基礎自治体として、生活インフラの整備、保健福祉サービスの提供、産業振興や特色のあるまちづくりを行うことなどの役割を担っております。 近年は、それらに加えて南海トラフ地震対策への取り組み、人口減少による負の連鎖の克服といった地方創生の取り組みなど、地域の課題解決のための大きな役割を担っておられます。 他方、合併なども含め、さまざまな要因により、市町村がマンパワー的にも余裕があるかというと、決してそうではないと思います。 過去における各自治体の厳しい局面等もよく検討し、念頭において対応してまいりたいと考えております。 そして、何より、県としては、市町村がこれらの役割を果たしていけるよう、市町村政との連携、協調の考え方のもとで、徹底してバックアップをさせていただきたいと考えているところでございます。 総合戦略づくりなどのさまざまな課題に取り組んでいる市町村政の姿、現状について、市町村は住民の皆さまに最も身近な基礎自治体としての役割を担っておられますが、一方で財源や人員が限られていることも確かであります。 さまざまな地域の課題に対しまして、知恵と工夫を凝らして必死に取り組んでおられるものと認識をしております。特に、本県の市町村の場合は、地理的な特性など、客観条件が厳しい中での御苦労もまた加わってくるということかと思います。 こうした点から、私は、県政と市町村政が一体となって取り組みを進めていくことが大事だと考えており、これまでも三つの基本政策やそれらに横断的に関わる二つの政策などのさまざまな分野において、ベクトルをあわせた取り組みを行ってきたところでありまして、徐々に徐々に、そのようなベクトルのあった取り組みがふえてきているという状況ではなかろうかと考えています。 お尋ねの市町村版総合戦略の策定についても、県版総合戦略を全国で最も早く策定した上で、各地域本部が県版総合戦略の考え方をお示ししつつ、ワンストップサービスで市町村の総合戦略の策定を支援させていただいているところであります。 そのほかの分野でも、マンパワーの点も含め、市町村を応援させていただいており、例えば、先ほど申しました市町村版総合戦略の策定のほか、地域アクションプランの推進や避難経路の点検などの南海トラフ地震対策、集落活動センターの設置などについて、ともに取り組んでいるところであります。 このように、県政の抱えるさまざまな課題を解決し、県勢浮揚につなげていくためには、市町村政との連携協調が重要であり、県と市町村がベクトルをあわせ、相乗効果が発揮できるよう、引き続き各分野において財政面のみならず、マンパワーの面も含め、支援を行いつつ連携を強化してまいりたいと考えております。 (このページのTOPへ) 雇用と県経済について ■大野たつや 平成28年度は、本県が進める様々な施策がバージョンアップをしていく年度であり、産業振興計画については、課題解決に向けて第2期から第3期へ、更なるバージョンアップをする、ホップステップジャンプで言えば、最後のジャンプの踏み出しのタイミング、最も大切なタイミングの年度になると思われます。 第3期産業振興計画では、地産外商の取り組みをさらに強化し、その成果をより力強く拡大再生産の好循環につなげ経済の活性化を図るとのことですが、四万十町などにおいて進める1次産業を核とした産業クラスターの取り組みなどは、1次産業に新たな価値を産みだす大きな可能性があり、県内各地でこうした取り組みが広がることが期待されます。 また、これまでの産業振興計画による、地域資源の掘り起こしや、まるごと高知、地産外商公社の頑張りなどにより、製造品出荷額の伸びなど、各種の指標にも経済効果の成果が表れてきていると思います。 しかしながら県民所得の底上げ、安定した雇用の場の創出など、全体的な経済の底上げにはまだまだ至っておらず課題が多いのではないかと考えます。 また、いわゆるアベノミクスによる景気回復についても本県ではあまり実感がないのが現状ではないかと考えますが、そうした本県の経済状況について尾ア知事のご所見をお伺いします。 ●尾ア正直知事 2月29日に公表いたしました平成25年度高知県県民経済計算の名目経済成長率は全国のプラス1.8%に対しプラス3.1%、物価変動を除いた実質では全国のプラス2.1%に対しプラス3.4%、一人当たり県民所得も全国のプラス3.0%に対しプラス5.2%となっており、いずれも全国平均を上回る経済成長となりました。 直近の経済データを見ましても、日本銀行高知支店が3カ月ごとに公表している日銀短観では、企業の自社の業況判断を示すDIが、昨年12月公表分まで9四半期連続でプラスとなり、引き続き高水準を維持しています。 また、雇用の面では、有効求人倍率が、産業振興計画に取り組む前までは、全国の動きと連動できずに0.5倍程度で推移しておりましたが、昨年11月には本県の悲願であった1.0倍を超え、今年1月には過去最高の1.05倍に達しました。 賃金の面でも、雇用者の給与の動向を示す現金給与総額指数が昨年2月以降、ほぼ年間を通じて前年を上回る状況で推移するなど、経済全体としては、いい方向に向かっていると感じております。こうしたいい方向に向かってきている背景には、次のような構造変化があるものと考えております。 すなわち、かつては、生産年齢人口の減少に伴って、各産業分野の産出額などがパラレルに減少する傾向にありました。こうした時期においては、本県の有効求人倍率や業況判断DIは、全国がどれだけよくなっても上昇することはございませんでした。 しかし、産業振興計画の効果も一部にはあり、地産外商が大きく進み、生産年齢人口が減少を続ける中にあっても、各産業分野の産出額などが明確に上昇傾向に転じております。 すなわち、生産年齢人口の減少と並行的に経済が縮んでいた時代から、生産年齢人口の減少にもかかわらず経済が拡大傾向に転ずるという、そういう構造変化があると言えるのではと思います。 このことが、GDPや有効求人倍率や業況判断DIの上昇など、各種経済データにもしっかりとあらわれてきているということではないかと思っています。 しかしながら、正社員の有効求人倍率は5カ月連続で過去最高値を更新しているものの、いまだ0.6倍にとどまっており、全国最下位水準であります。 地域間の求人状況の格差も大きいなどの課題があります。また、大型小売店舗の販売額などを見ても、個人消費は力強さに欠けている状態で推移をしており、まだまだ多くの県民の皆様が景気回復を実感できるまでには至っていないと考えているところです。 さらに、本県の人口の社会減は、過去の景気回復局面に比して、2分の1程度に縮小しているものの、いまだ人口減少の負のスパイラルは続いております。 こうしたことから、本県経済の活性化を図っていくための取り組みを、さらに強化をしていかなければならないと考えております。 第3期の産業振興計画では、全体目標として新たに具体的な雇用創出を掲げるとともに、統計上の制約などから目標としては掲げないものの、県民所得についても着実な伸びを目指すこととしております。 その達成に向け、地産と外商をさらに強化する施策を盛り込むとともに、その流れを力強い拡大再生産の好循環につなげるための施策を抜本強化することといたしております。 今後も計画の目指す将来像として掲げた、地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県を実現し、より多くの県民の皆様に景気回復を実感いただけるよう全力で取り組んでまいります。 ■大野たつや 本県の有効求人倍率が昨年1倍を超えるなど、県内の雇用情勢は一定の上昇傾向にあると理解しています。 しかしながら、正社員に限った有効求人倍率は0.6倍程度で、さらに事務系の求人倍率に関しては、パートを含めても0.3倍弱ということであり、改善されているとはいえ、地域間での格差、非正規や医療・介護などへの求人の偏りなど、求人と求職のミスマッチが強まっている現状もあります。 さらに労働力人口はこの10年間で1割減少し、県内の求職者数自体も下がり続けています。最低賃金も全国最下位であり、高知におりたいけれど、県外に行かざるをえない若者がまだまだ多いのも事実であります。 そうした中、佐川町においては東証1部上場の兵庫県の優良企業グローリーの100%子会社であるグローリープロダクツが、今月に50人程度の雇用による工場の操業をおこなうこととなり、2年後のフル操業時には200人規模の雇用を目指すとのことであります。 雇用の創出、拡大に、地元住民も大変期待しており、関係者のご尽力に改めて感謝とお礼を申し上げます。県内にそうした雇用がさらに生まれてほしいと思うものですが、今後の企業立地の方針と見通しについて原田商工労働部長にお伺いします。 昨年末、香南市のルネサス高知工場の閉鎖計画の報道には、多くの県民が衝撃を受けました。 特に関係する従業員の皆様におかれましては、今後の生活に大きな不安をかかえることになり、県もルネサス社とともに従業員の雇用対策に取り組んでおられると思いますが、ルネサス高知工場の集約に対する現在の取り組みについて原田商工労働部長にお伺いします。 ●原田悟 商工労働部長 県では、さまざまなルートを活用し、立地可能な企業の掘り起こしを行い、継続的に訪問活動しながら、市町村との連携によるきめ細かな提案等を行い、立地の実現に努めているところです。 グローリープロダクツの場合も、本県に立地する際に最も重要な要素であった人材の確保の面において、県と地元、佐川町やハローワークが一体となって取り組む姿勢を高く評価していただき、実現に至ったものと考えています。 企業立地に当たりましては、製造業の立地促進はもとより、特に、若者や女性からニーズの多い事務系職場や、本県の強みであります農業を初め、第一次産業分野への県内外の企業の参入に取り組むことで、県内各地域への多様な雇用の場の確保を図っていくことにしております。 そうしたことにより、平成28年度からスタートする第3期産業振興計画におきましては、県外からの新たな立地とあわせて、徹底したアフターフォローによる県内事業者の新たな設備投資を進めることにより、毎年、10件以上の企業立地と200人以上の雇用の場の創出を目標に取り組むこととしております。県内各地域での多様な雇用の場の確保に向け、市町村や関係機関と密接に連携し、全力で取り組んでまいります。 ルネサス高知工場の集約への対応に関する現在の取り組みについて、昨年12月のルネサス社の集約方針の発表後、直ちに庁内にルネサス高知工場集約対策本部を立ち上げ、これまでに本部会議を定期的に4回開催しております。 その中で、現状や今後の対応について、随時確認しながら、ルネサス社が社内に立ち上げましたプロジェクトチームと、承継企業の確保に向けて具体的な協議を進めているところです。 そうした中、本年1月には、知事がルネサス本社を訪問し、同社のトップに対し、高知工場の承継企業の確保と従業員の雇用の維持継続を再度強く要請したところでございます。 高知工場の承継に向けた動きは、民間企業同士の機密情報でありますことから、ルネサス社を中心とした水面下での活動となってはいますが、県としても、独自のルートで候補となる企業の調査をしており、県とルネサス社が互いに情報を共有しながら、引き続き早期の実現に向け取り組んでまいります。 また、ルネサス社から無償で譲り受けた第2棟用地の活用につきましては、現在、県内外に向け、さまざまな機会を通じて、工場用地の情報を発信しているところであり、今議会に提案しています財産処分に関する議案の承認が得られましたなら、分譲先の公募に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。 今後、引き続き、高知工場の承継企業の確保と第2棟用地への企業立地による雇用の維持継続に全力で取り組んでまいります。 (このページのTOPへ) あったかふれあいセンターについて ■大野たつや あったかふれあいセンターは、日本一の健康長寿県構想、高知型福祉の取り組みのひとつとして、地域のニーズや課題に応じた、小規模多機能支援拠点としての活動を行っていますが、今後、訪問事業や通所介護サービス、認知症カフェ、リハビリテーションを取り入れた介護予防サービスの提供など、介護保険制度とも連携しながら、さらなる機能の強化を図っていくということであり、運営を担う社会福祉法人や団体、そしてスタッフへの負担の増大を危惧していますが、あったかふれあいセンターを支える人材の育成、確保など、運営団体への支援について井奥地域福祉部長にお伺いします。 あったかふれあいセンターに関しては、県内各地で整備が進む集落活動センターとの連携や役割分担も課題となっています。 地域住民にとって両センターの違いが分かりにくいといった声や、高齢化が進んだ地域では集落活動センターの運営を担う人材がいないといった現実もあります。 高齢化や過疎化が進み経済活動主体の集落活動センターの運営さえも困難となった地域やエリアでは、あったかふれあいセンターにおいて庭先集荷の支援や高齢者の技術や匠、手芸などミクロな経済活動を行いながら、生きがいづくり、健康づくりなどにつなげる「産業福祉」を主体とした取り組みが有効ではないかと考えるものですが、集落活動センターとの連携の状況と今後の方向性について井奥地域福祉部長にお伺いします。 ●井奥和男 地域福祉部長 あったかふれあいセンターについては、今後、介護予防サービスの提供や認知症カフェの設置、子育て支援などといった複合的なサービスの提供などを通じて、機能強化を図ることとしており、こうした取り組みを進めていく際には、運営体制の強化といったことも課題となってまいります。 このため、県では、運営を担う団体への総合的な福祉サービスを提供する際におけるノウハウの提供や、職員を対象とした専門研修の実施などによる人材育成面での支援などに取り組んでいるところです。 現在、あったかふれあいセンターの職員のうち、旧ホームヘルパー2級研修修了者を含め、何らかの資格保有者は、延べ人数で8割程度を占めておりますが、より専門的なサービスを提供するためには、理学療法士、保育士など国家資格を有する従事者も必要になってまいります。 このため、リハビリテーション専門職の派遣や、訪問看護師による健康相談などのほか、福祉研修センターや人材センターなどとも連携し、人材の確保や資格取得の支援などに積極的に取り組むこととしております。あわせて、事業計画時のヒアリングなどを通じまして、職員の勤務条件等につきましても、実情を把握いたしますとともに、国の支援制度などを活用した非正規職員の正規職員化などの可能性を含め、必要な情報提供などに努めてまいりたいと考えております。 あったかふれあいセンターと集落活動センターとの連携の状況と今後の方向性について、議員のお話にもありますように、元気な高齢者の皆様が経済的な活動などを行うことを通じて、健康や生きがいづくりにつなげていくことは、健康寿命を延ばしていく上で、重要な視点であり、県としましてもあったかふれあいセンターにおける、こうした取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。 他方で、地域の活性化に向けた仕組みづくりなどを担います集落活動センターは、そのスタート地点から生活を支える機能と産業を活性化させる機能との両方を、オールインワンで担う姿を理想として出発したものであり、こうした観点からも既存の集落活動センターとあったかふれあいセンターが、できるだけ連携を図る必要があります。 現在、あったかふれあいセンターと集落活動センターが連携した取り組みといたしましては、集落活動センターにあったかふれあいセンターのサテライトを開設し、介護予防の取り組みや交流の場づくりなどを実施している事例などがございます。 さらには、現在、あったかふれあいセンターと集落活動センターとの一体的な整備に向けた検討が進められている地域もあり、県としましても、こうした取り組みへの積極的な支援に取り組んでいるところです。 今後とも、県内の地域、地域において、地域住民の皆様の在宅生活の希望をかなえるためのあったかふれあいセンターの機能強化を進めていくのはもちろんですが、その際には、地域の活性化に向けた仕組みづくりなどを担います、集落活動センターとの連携した取り組みを積極的に支援してまいります。 ■大野たつや あったかふれあいセンターの事業は、本県においてはなくてはならない取り組みとなっており、今後更なる高齢化の進捗とともに、全国的にも広がっていく事業になると思われます。 本県の平成28年度予算案においては、新たに施設整備への予算も計上されていますが、今後、地域の安心安全を確保するためには、あったかふれあいセンター事業の安定と継続的な運営のため、恒久財源の確保や事業に対する交付金などが期待されますが、そうしたことに向けた国への要望、提言について尾ア知事にお伺いします。 ●尾ア正直知事 本県が独自に整備を進めてまいりました、小規模・多機能な福祉サービスを提供する、あったかふれあいセンターは、県民の誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることのできる高知型福祉推進の中核を担うものであり、国からの財政支援の有無にかかわらず、今後とも県として確実に財源を措置し、事業の継続を支援してまいります。 その上で、財源を安定的に確保するためには、国からの恒久的な財政支援があることがより望ましいことから、これまで国や全国に対し、あったかふれあいセンターの取り組みに関する情報発信に努めてまいりますとともに、支援制度の創設と恒久化に向けた政策提言活動などを積極的に行ってまいりました。 その結果、国の平成27年度補正予算において、地方創成加速化交付金の小さな拠点のメニューに、あったかふれあいセンターや集落活動センターがモデル事業として盛り込まれたところであります。 さらには、平成28年度から、地方創成推進交付金が改正予定の地域再生法に位置づけられる見込みとなっており、あったかふれあいセンターなどの取り組みに充当可能な恒久的な財源の確保につながるものと大いに期待をいたしておるところであります。 あわせて、昨年4月の介護保険法の一部改正に伴い、市町村が実施することとなった地域支援事業についても、あったかふれあいセンターについて、介護予防、日常支援生活サービスなどの提供を行う際には、財源として活用することが可能になっております。 今後とも、引き続き、地域、地域で安心して住み続けられる県づくりへ向け、国の動向にも留意しながら、必要に応じて制作提言活動などに取り組んでまいりたいと考えております。 (このページのTOPへ) ![]() 介護従事者の処遇改善について ■大野たつや 本県の特に高齢化が進む山間地域では、要介護者も介護従事者も人口に占める割合が高く、介護の仕事は役場などの公務サービスと並んで地域の重要な就業先ともなっています。 山間過疎など条件不利地域での介護や福祉現場を支える人材の確保は、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるための基礎となるものでもあり、今後、東京などの都市部で介護人材の需要が高まり、特に若年層、女性の介護人材の流出が進むと言われる中、介護人材の確保は、人口減少や定住対策とも併せて考える必要があると思います。 平成27年度の介護報酬の改定において、処遇改善加算の新設により介護職員の賃金が平均月額で1万2千円引きあげられましたが、一方で介護サービスを提供する事業者へ支払う介護報酬が2.27%引き下げられたことにより、事業者の多くが減収となり、サービスの低下や、減収分が給与の引き下げにつながることも指摘されています。 介護職員処遇改善加算は、同じ介護事業所内でも介護従事者以外の事務職などの職員には加算が取れないため、事務の煩雑さと併せ、不公平感があるとの声もあります。 また、介護職の現場では、膨らみ続ける社会保障費の抑制や人材の確保策などのため、介護保険などの制度や報酬などの改定が度々行われ、仕事が煩雑化し、混乱が生じています。 事業所加算など様々な加算が報酬改定のたびに追加され、加算が取れなければ経営に響くことから事業所は無理をして加算をとり、その事務作業により業務は益々煩雑になり、ストレスなどにより仕事を辞めてしまう職員がでてくる、職員が辞めれば求人を出しますが、なかなか働き手がいないしこない、残った職員は益々忙しくなるといった負のスパイラルの実態があるともお聞きします。 また、事業所や施設における事故や職員による高齢者への虐待も社会問題となっています。安倍政権は「1億総活躍社会」の施策の一つとして、介護のために仕事を辞める、いわゆる「介護離職ゼロ」の取り組みを進めています。 介護離職ゼロの取り組みは良い方向であるとは思いますが、単に施設を沢山建てるだとかの経済優先の取り組みだけになってしまえば、1億総活躍社会で言われるような、介護離職者のゼロは困難だと思います。介護福祉職場の現場に寄り添った施策、対策をしない限り離職者は増え、介護を支える人材の確保は困難だと思います。 介護離職ゼロの実現には先に介護従事者の離職者のゼロを目指さすことが大事ではないかと思いますし、本県にとって介護従事者の人材不足は深刻な課題であり、全国一律の処遇改善による介護報酬の改定だけでは、県内の介護の働き手不足の解消、人材の流出防止、定住にはつながりにくいのではないかと考えますが、処遇改善加算の上乗せなど介護従事者の処遇改善策に向けた県独自での取り組みについて、また、制度が複雑化し事務作業も煩雑化している介護福祉サービス事業者への支援や指導、監査の強化が必要と考えますが、併せて井奥地域福祉部長にご所見をお伺いします。 ●井奥和男 地域福祉部長 介護職員の処遇改善に関しましては、これまで処遇改善加算の継続と対象職種の拡大などについての政策提言を行ってまいりました結果、昨年4月の介護報酬の改定では、これまでの職員一人当たり月額1万5,000円相当の加算に、1万2,000円相当分を上乗せすることが可能となっております。 昨年10月時点で、こうした加算制度を活用している事業者は940の事業所で、県内の加算対象事業所の約8割を占めておりますが、そのうち、新たな上乗せ加算を実施している事業所は、半数程度の645の事業所にとどまっております。 このため、できるだけ多くの事業所において、本制度の積極的な活用を図っていただけますよう、周知に努めますとともに、本制度の恒久化などに向けまして、全国知事会などとも連携し、政策提言活動を行ってまいりたいと考えております。あわせて、第3期日本一の健康長寿県構想では、介護人材の安定確保に向けた取り組みの抜本強化を図ることとしており、人材の定着促進と離職防止に向けた取り組みといたしまして、職員の処遇改善につながる福祉研修センターでの専門研修やキャリアパス制度の導入などによるキャリアアップを支援しているところです。 あわせて、身体的負担を軽減するため、福祉機器や介護ロボットの導入を支援するなど、職場環境の改善などにも積極的に取り組むことといたしております。 他方、議員のお話にもありました、介護職場における事務従事者を含めた負担の軽減に向けましては、介護事業者への指導監査を行う際に、処遇改善加算の支給要件ともなっております職場環境の改善状況についての十分な内容確認を行っているところです。 さらには、研修会方式の集団指導の場において、実地指導で指摘が多かったことなどで注意すべき点や制度の改正点などについてのわかりやすい説明を心がけますとともに、介護保険担当課のホームページには、国の通知や関連する様式などを掲載し、電話、メール等での質問への迅速な対応に努めているところです。 こうした取り組みなどを通じまして、介護職場からの離職防止と職場の定着を促し、サービスの安定確保へと確実につなげてまいります。 (このページのTOPへ) 厳しい環境にある子どもたちへの支援について ■大野たつや 全国的に児童虐待や非行などの問題、発達障害など、子どもや家庭を取り巻く問題が複雑化、多様化している中、尾ア知事におかれましては、全国知事会における次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、国に対して子どもの貧困対策の抜本強化に向けた緊急提言を行うなど、子どもの貧困解消対策に力を入れられておられます。 国の本年度の補正予算においても、そうした取り組みの成果により地域の実情に応じた子どもの貧困対策強化費として25億円が新規事業として計上され、また、本県の平成28年度予算案においても、教育現場、施設、親、子ども、地域などそれぞれに様々な支援策が計上されていますが、日本の子どもの6人に1人が厳しい経済環境の中で育っていると言われる現状と、子どもの貧困解消対策について尾ア知事にお伺いします。 ●尾ア正直知事 平成25年の国民生活基礎調査の結果、平成24年の子供の貧困率が16.3%となる中、ひとり親家庭に限れば、過半数の54.6%に上るなど、非常に厳しい状況となっています。 本県におきましても、生活の困窮という経済的な要因のみならず、家庭の教育力や地域社会の見守り機能の低下などを背景として、一定数の子供たちが学力の未定着や虐待、非行、いじめなどにより、困難な状況に直面しています。 このため、現在策定中の子供の貧困対策計画においては、子供たちの発達や成長段階に応じて、幼少期には保護者への子育てや就労面での手厚い支援策などを中心に、学齢を重ねるに従って、学校をプラットフォームとした学びの場や居場所づくりなどの子供たちを見守り育てるための支援策を中心にしていく形で、支援策の抜本強化を図ってまいりたいと考えております。 その際には、全ての子供たちを対象とする一般施策を基本とし、支援を必要とする緊急度の高い子供たちの支援策については、特別な施策を追加的に講ずるという形での対応図りたいと考えています。 具体的な例を申せば、例えば、虐待死亡事例の数多くを占めます乳幼児期までの子供たちの命の安全安心を守るため、市町村の母子保健と児童福祉が連携を強化して取り組む地域での見守り体制の構築等を支援してまいります。 さらには、進学率や就職率などで厳しい状況にある児童養護施設の子供たちに、学習や自立支援などのサポートを行う職員等の配置などを支援することとしております。 また、スクールカウンセラーの増員や放課後の学習支援や、高知家の子ども見守りプランの取り組みなども、それぞれさらに充実させていくこととしているところであります。 こうした取り組みなどを進めていく中で、毎年のPDCAサイクルによる検証作業などを通じて、関連施策のバージョンアップを図ることにより、厳しい環境にある子供たちが、その努力の及ばない不利な環境により将来が閉ざされることのないよう、貧困の連鎖を断ち切る強い決意を持って取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。 ■大野たつや 本県では子どもに関する相談支援機能や体制強化を図るため、療育福祉センターと中央児童相談所を一体とした仮称高知県子ども総合センターの合築整備が進められ、平成28年度予算案においては、児童虐待防止対策コーディネーターの配置や児童相談所の体制の抜本強化や主任児童委員などによる地域での見守り活動の強化策が計上されるなど、福祉や教育など関係部局が連携した、児童虐待防止の取り組みがされています。 また、オレンジリボン運動など、地域での見守り活動も行われています。そうした取り組みがあるにも関わらず、大変残念なことではありますが、本県においても虐待による児童の死亡事件が発生しており、潜在的な虐待の問題も含め、深刻な状況が続く児童虐待、子どもたちの命を守るための対策が課題となっています。 塩崎厚生労働大臣は、児童相談所への弁護士の常駐を検討する考えを示すとともに、警察や行政、学校が連携する「要保護児童対策地域協議会」の設置を全市町村に義務づける考えを示されておりますが、本県における、児童虐待防止に対する取り組みについて井奥地域福祉部長にお伺いします。 ●井奥和男 地域福祉部長 本県における、児童虐待防止に向けた取り組みにつきましては、昨年6月の検証委員会の提言により、児童相談所と関係する支援機関との連携のあり方や職員の専門性の確保に向けた取り組みのさらなる充実強化のほか、市町村の要保護児童対策地域協議会への積極的な支援に取り組むことなどが求められております。 このため、まずは、児童相談所の相談支援体制の抜本強化に向け、人員体制を大幅に拡充いたしますとともに、管理職員の体制強化によるリスクマネジメント力の強化を図りますほか、外部専門家の招聘による職員の専門性の確保に向けたスーパーバイス機能の向上などを図ってまいります。 市町村における児童家庭相談支援体制の抜本強化に向け、市町村支援の専門官等による要保護児童対策地域協議会の運営などへの支援体制を強化してまいります。 あわせて、来年度からは、出生から乳幼児期にかけての児童虐待を未然に防ぎ、子供たちの命の安全と安心をしっかりと守るため、市町村における母子保健と児童福祉の連携強化を支援してまいります。具体的には、子育て世代包括支援センターの設置や児童虐待防止対策コーディネーターの配置などとあわせて、要保護児童対策地域協議会を中心とした地域での見守り体制の構築に向けた取り組みなどを積極的に支援してまいります。 こうした取り組みなどを通じまして、県と市町村、民生委員、児童委員などを含めました、各支援機関などが連携を強化し、切れ目のない総合的な支援体制を構築することにより、子供たちの命の安全と安心をしっかり見守ってまいります。 ■大野たつや 昨年度の本県におけるいじめ認知件数は716件となり認知件数としては過去最高とのことでありますが、スマートフォンなどの普及による、いわゆる「ネットいじめ」が社会問題となっています。ネットいじめは、水面下で見えにくく、保護者や先生なども気がつきにくいといった問題点があります。 スマートフォンや通信機能付きゲーム機によるコミュニケーションが当たり前となった現代においては、そうしたツールでの疎外やいじめは当事者にとって大きなウエートをしめる問題であり、子どもたちの心の傷も深く、事件などへ進展することもあります。 本県におけるいじめの認知件数のうち、いわゆるネットいじめの認知件数とその対応策について田村教育長にお伺いします。 これまでいじめに関して、保護者や当事者がその悩みを相談する場所やツールがわかりにくいという声がありましたが、ワンストップの相談先として心の教育センターにおいて支援体制を構築されるとのことですが、子どもも保護者も相談しやすい本当の意味で県民に開かれた相談窓口になってほしいと願うものでありますが、心の教育センターにおけるワンストップ相談先の具体的な支援体制について田村教育長にお伺いします。 ●田村壮児 教育長 文部科学省の調査によりますと、平成26年度の本県におけるいじめの認知件数は716件であり、そのうち、携帯電話やスマートフォンなどによるメールやコミニュケーションツールを使った誹謗中傷の認知件数は44件となっています。 県教育委員会では、各学校でのいじめアンケートの実施や、ネット上で誹謗中傷の書き込み等が行われていないかを監視する学校ネットパトロールを通じて、ネットいじめの早期発見、早期対応に努めているところです。学校等において、ネットいじめを発見した場合は、速やかに事実確認を行うとともに、児童生徒や保護者に迅速に対応することにより、問題の深刻化を防ぎ、早期の解決につなげております。 しかしながら、お話のありましたように、ネットいじめは見えにくいという特徴があり、認知件数は氷山の一角であるということも想定されますので、対策としては、何よりもまず、いじめそのものを未然防止していくことが重要となります。 そのため、学校では、児童生徒に対して、全ての教育活動を通して、いじめは絶対に許されないという意識を高め、自他を大切にする心を育む教育に取り組んでおり、今後も徹底してまいります。 さらに、ネットいじめに関しては、道徳の時間や特別活動などを通して、日常生活でしてはいけないことは、ネット上でもしてはいけないということを徹底するための情報モラル教育を推進してまいります。 また、ネットいじめやネット依存などのネット問題については、本年度の高知県いじめ問題対策連絡協議会でも、大きなテーマとなったところです。 検討の中では、ブロック別に開催する児童会、生徒会、交流集会において、ネット問題やいじめの防止について話し合った上で、地域や家庭でのルールづくりを進めていくことなどが打ち出されました。こうした取り組みを進めていく中でも、ネットいじめの防止につなげてまいります。 心の教育センターにおけるワンストップ相談の具体的な支援体制について、学校では、いじめや不登校を初めとするさまざまな問題に、担任やその他の教職員が子供やその保護者に真摯に向き合って解決に努めております。 しかし、子供や保護者が教員や学校などに相談できずに、あるいは、相談しても対応が不十分であったがために、問題が深刻化、長期化する事例もございます。 そのため、学校以外でも子供や保護者が心理的負担を覚えず相談できるとともに、その相談に対し、より専門的な見地から支援することができる相談支援体制が求められております。 こうしたことを受け、今年度の高知県いじめ問題対策連絡協議会において、相談支援体制のあり方をテーマとして議論を行った結果、県内の教育相談機関の中核である、心の教育センターにおいて、ワンストップかつトータルな支援体制を構築することといたしました。 具体的には、心理や福祉の専門家であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを常駐させ、いじめや不登校など多様な相談を一元的に受理し、適切に対応できる体制を整えます。 特に、緊急性のある事案や深刻な問題に対しても、解決に向けた助言ができるよう、スクールカウンセラーの中でもより専門性の高いスーパーバイザーを配置することにしています。これにより、必要に応じて、学校や関係機関とも連携しながら、解決するまで相談者に寄り添うワンストップかつトータルな支援を行ってまいります。 あわせまして、学校からの求めに応じ、センターのスクールカウンセラー等が校内支援会に参加することや支援チームを派遣することなどにより、学校において課題を抱える子供に対する適切な対応が図られるよう支援してまいります。 今後は、県内の小学校から高校までの全ての子供たちに、心の教育センターとともに連携先となる各種の相談窓口の連絡先も記載したカードを配布するとともに、保護者や県民の皆様がいつでもセンターの存在を目にすることができるよう、チラシを量販店やコンビニなどに設置するなど、センターの周知を図り、幅広く利用していただけるよう努めてまいります。 (このページのTOPへ) 障がい者差別解消について ■大野たつや 「障がいを理由とする差別の解消の推進に関する法律」いわゆる「障がい者差別解消法」が2013年6月に成立し、本年4月から施行されることになりました。 障がい者差別解消法は、「全ての障がい者が、等しく基本的人権を享有する個人としての尊厳が重んじられ、生活を保障される権利を有することを踏まえ障がいの有無によって分けへだてられることなく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現に資すること」を目的として、障がい当事者の長年の願いの実現に向けて大きな一歩が踏み出されたものであります。 同法の制定までには、2006年の12月に国連総会において、「障がい者権利条約」が採択されたのを受け、日本でも各地で障がい者差別禁止条例の制定運動が展開され、名称は様々ですが多くの地方公共団体で「障がい者差別禁止条例」が制定されています。 本県における障がい者に対する差別や偏見を禁止、解消するための具体的な取り組みと、障がい者が安心して暮らすことのできる施策拡充の取り組みについて井奥地域福祉部長にお伺いします。 昨年2月県議会の予算委員会において田村輝雄委員への質問に対し井奥部長から、県の事務や事業を実施するうえで、職員が適切に対応できるよう、障がいのある方や関係団体の皆様などから具体的なご提案などを含めて幅広く意見をお聞きし対応要領の策定を行うとの答弁がなされ、現在策定作業が進んでいる「障がいを理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領」の策定の現状について井奥地域福祉部長に併せてお伺いします。 ●井奥和男 地域福祉部長 県では、障害の有無により、分け隔て入れられることのない共生社会の実現を目指し、県民の皆様の障害や障害のある人への理解の促進に向け、取り組みを進めているところです。 これまでも、障害者週間の集いや障害者美術展の開催などによる県民の皆様の啓発活動などに積極的に取り組み、障害者美術展の応募者数は、平成9年第1回の253人から、平成27年には768人へと増加するなど、障害者の方の社会参加の促進といった面での広がりが見られております。 障害者雇用促進法の趣旨を広く民間企業に浸透させるため、毎年、500社以上の企業訪問を重ねてまいりました結果、障害のある方の就職者数は、平成18年度の235人から平成26年度は469人へと倍増するなど、雇用面でも障害のある方に対する理解が一定進んできているものと考えております。 あわせて、公共的施設などのバリアフリー化を推進いたしますとともに、あったかパーキング制度の利用促進やタウンモビリティの推進、さらには、手話通訳者の養成など、社会的障壁と言われる垣根をなくしていく取り組みなどにも、積極的に取り組んでいるところです。議員のお話にもありました障害のある人に対する差別の禁止に関する条例につきましては、障害者差別解消法の施行後の状況や他県の取り組み状況なども見ながら、検討を深めてまいりたいと考えております。 こうした中、来年度からスタートをいたします第3期日本一の健康長寿県構想では、障害児を見守り育てる地域づくりに向け、発達障害のある子供とその保護者に対するサービスの提供を担う専門人材を育成することにより、地域における早期からの発達支援が可能となる体制整備を推進していくことといたしております。 また、改正障害者雇用促進法の4月からの施行をもにらみ、在宅障害者などの一般就労の移行を支援するため、障害者職業訓練コーディネーターを配置した、お仕事体験拠点施設の整備などに取り組むなど、障害の特性などに応じて、安心して働ける体制整備などにも取り組んでまいります。こうした取り組みなどを通じまして、障害のある方の自立を促し、安心して生活のできる地域づくりを目指してまりたいと考えております。 障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領の策定状況について、障害者差別解消法では、行政機関などに、障害を理由とする不当な差別取り扱いの禁止と合理的配慮の提供が義務づけられますとともに、地方公共団体などについては、職員が適切に対応するために必要な要領を定めることが努力義務とされております。 県では、法の趣旨を踏まえ、各行政委員会事務局や県警察本部などとともに、障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領を策定することとし、法を所管します内閣府の対応要領を参考としながら、障害を理由とする不当な差別的取り扱いと合理的配慮の提供に関する基本的な考え方や具体例、相談体制の整備、職員の研修、啓発といった内容を盛り込むことといたしております。 対応要領の策定に当たりましては、障害者団体などの意見を反映させるための必要な措置を講じることが求められており、県では、高知県障害者施策推進協議会での御意見を伺いながら作業を進めますとともに、パブリックコメントや関係する団体からいただいた御意見などを参考に、最終案の取りまとめを行っているところです。 今後は、障害者への差別の解消に向け、職員が対応要領に基づき、適切な対応ができるよう、新規採用職員や所属長研修、階層別研修のカリキュラムに障害のある人への配慮を加え、研修に努めてまいりますとともに、障害者差別解消法の施行初年度となります来年度は、全庁の職員を対象とした研修を予定いたしております。 (このページのTOPへ) 愛媛県伊方原子力発電所3号機の再稼働について ■大野たつや 昨年10月、尾ア知事は愛媛県の伊方原子力発電所3号機の再稼働について、愛媛県知事の再稼働同意に対して、高知県知事として現時点での再稼働はやむを得ないとの立場を表明し、現在もその姿勢は変わられていないと理解しております。 知事は将来的には脱原子力発電の方向性を明確にされていると理解していますし、私もその考えは同じであります、知事はこれまでの四国電力との勉強会において安全対策を確認されたうえで現時点では再働はやむを得ないとの判断に至っていると理解もしておりますが、尾ア知事は度々、「現時点での再稼働はやむを得ない」と「現時点」という言葉を強調し度々おっしゃられているように私は感じていますが、将来伊方原子力発電所3号機の再稼働を容認しないとする状況にはどのような状況を想定されているのか尾ア知事にお伺いします。 知事が再稼働を容認した昨年10月以降、梼原町をはじめ県内で8つの市町村議会で伊方原子力発電所再稼働の中止や同様の意見書が可決され、これまで県内の多く市町村においても再稼働についてNOという意見書などが出されています。 中でも小水力や太陽光など再生可能エネルギーの推進に取り組むなど、町をあげて脱原子力発電所に取り組んで来られた伊方原子力発電所から50キロ圏内に位置する、高岡郡梼原町では、その危機感は強いものがあります。 この質問の機会に昨年梼原町議会で可決された意見書の一部を紹介させていただき知事のご所見をお伺いしたいと思います。「人の命は山よりも高く海よりも深い、さらに地球よりも重い」という言葉がある。私たち国民は、この言葉を深く心に刻み、命の尊さを忘れてはならない。 東日本大震災による福島第一原発事故が発生してから、福島県及び隣接県では大量に放出された放射性物質によって生命への脅威、子ども達をはじめ住民の健康への不安を感じながらの生活を強いられている。 また、1次産業をはじめ事業活動ができない多くの方々も過酷な状況に置かれている。進まない除染、賠償問題、帰還困難、地域再生の見通しも立たず、被災地では今なお過酷な避難生活を余儀なくされている。 われわれの暮らしている梼原町は、伊方原発から50q圏域に位置し、日本最後の清流といわれている四万十川の源流域であり、1100年の歴史の中で豊かな自然と協調し共生をはかってきた。その先人の教えを守り、後世に引き継ぐ重要な責務がある。 その自然や地域資源を活用し、風力、水力、太陽光、地中熱など再生可能エネルギーの推進に取り組んできたことにより、環境モデル都市の認定をうけて全国に発信しているところである。 生まれ育ったふるさとが、より安全で安心して生活できる町であることを願うのは誰しも同じであり、これから先も将来にわたって同じである。多くの生命と財産を一時で失った3.11原発事故を教訓とし、これ以上尊い生命、そして財産を失うことが決してあってはならない。 同時に、今育っている子ども達、これから生まれてくる未来の子ども達のために、再生可能エネルギー社会へ歩を進めながら原発依存から脱する機会は、今しかない。 以上、昨年、梼原町議会で可決された意見書の一部であります。梼原町のみならず、近隣の仁淀川町議会などでも同様の意見書が可決されていますが、いずれの自治体においても、福島第一原発事故を教訓に命の尊さ、未来の子ども達のために原発依存からの脱却を強く訴えているものであります。 もし万が一再稼働後に事故がおこれば、日本でも有数な美しい川、四万十川と仁淀川が放射能に汚染される川となってしまうのではないかとの不安もあります。 県内で多くの自治体、特に伊方から近く、万が一事故がおこった時に影響を受ける可能性が高い自治体議会において、伊方原子力発電所3号機の再稼働についてNOとする意見書などが可決されている現状について尾ア知事のご所見をお伺いします。 ●尾ア正直知事 伊方発電所3号機につきましては、昨年7月15日に、原子力規制委員会から設置変更許可を受けたところでありますが、再稼働までには、工事計画や保安規程の認可、使用前検査などの手続きが残っております。 そもそも安全対策に終わりはなく、常に最新の知見を持って万全の対策を講じていく必要がありますことから、今後も、節目、節目で安全対策について確認をしていく必要があると考えております。 こうした過程で、安全対策の取り組みが不十分なことが明白になりましたら、当然のことながら、再稼動を容認できないこととなります。 再稼働の必要性につきましても、これまでの勉強会での四国電力の説明には合理性があると判断いたしましたが、今後、節電や蓄電の技術の発達や、新エネルギーなどの代替エネルギーの開発普及によって、原発によらずとも十分に安定的な電源が確保できるようになれば、そのときは原発の必要性はなくなるとものと考えております。 そうした原発に依存しない社会がどれだけの期間で実現できるのかは、今後の科学技術の発達や社会システムの構築のスピードいかんで、現段階では不明であります。 いずれにしても、こうした科学技術の発達や社会システムの構築に向けて努力していくことが大事だと思っております。 議員御指摘のとおり、昨年10月に私が意見表明して以降、県内13の市町村議会におきまして、伊方発電所3号機の再稼働に反対する趣旨の意見書や請願が提出されておりまして、うち8の市町村で意見書が可決されております。 市町村に対しましては、これまでも勉強会の状況などについて、折に触れて情報提供してまいりましたし、伊方発電所3号機の再稼働についての私の考えを発表した後も、職員が県内市町村を訪問し、再稼働に対する県の考えや四国電力との勉強会の内容などについて説明をしてまいりました。 いずれにしましても、八つの市町村議会で意見書が可決されましたことは重く受けとめなければならないものと考えております。 この重みを受けとめ、今後とも四国電力との勉強会を開催して、安全対策などについて徹底的に確認を続けたいと考えております。 あわせて、危機管理の観点からは、万が一事故が発生した場合に備えての避難計画につきまして、伊方発電所から最も近い四万十市及び檮原町の避難計画策定に向けて、両自治体と具体的な協議を進めておりまして、できれば再稼働までに、遅くとも再稼働後の早い時期までに策定が完了できるよう、取り組んでいるところであります。 今後も、県民の皆様の不安や疑問にお答えするためにも、四国電力との勉強会を再稼働に向けたプロセスの節目、節目で開催し、県民の皆様からいただきました疑問も含めて、納得できるまで四国電力に説明を求めてまいります。 (このページのTOPへ) スポーツによる振興について ■大野たつや 四国で唯一サッカーJリーグのチームのない本県でありますが、これまでしのぎを削ってきた県内の強豪2チーム、アイゴッソ高知とUトラスターが、近い将来のJリーグ入りを目指してこの1月に大同団結、統合し、新たに高知ユナイテッドスポーツクラブが発足しました。 県内の強豪2チームの合体によるレベルの高い新たなサッカーチームの誕生に、サッカーファンのみならず、多くの県民も高知県でのJリーグチームの誕生に期待が高まっているところであります。 新たに発足した高知ユナイテッドスポーツクラブは、新チームになって初めての練習試合で、J1チームと対戦し引き分けるなど、すでにJ1のチームと互角の戦いを見せその強さを存分にアピールしています。 高知県から夢のJリーグチームの実現は、県内において、多くの子ども達に本物を生で見られる環境をつくることをはじめ県民の夢と希望でもあります。 JFL入りを目指す、おらんくサッカーチーム高知ユナイテッドスポーツクラブへの官民挙げての支援が期待されていますが、伊藤観光振興部長にお伺いします。 ●伊藤博明 観光振興部長 高知Uトラスターとアイゴッゾ高知という、これまでJリーグ入りを目指してきた県内の二つのチームが、この2月に統合し、新たに、高知ユナイテッドスポーツクラブが誕生したことで、県内の強豪選手の分散が避けられることになりましたし、チームの経営基盤の安定化にもつながるものと考えており、県内にJリーグクラブを誕生させたいという多くの県民の夢に、また1歩近づいたものと思っております。 本県にJリーグクラブが誕生しますと、サッカー競技に取り組む子供たちなどが県内で身近に本物のプロの技術を見る機会が増え、技術の向上につながるといったスポーツ振興面での効果が期待できます。 さらに、ホームゲームには、県外から対戦相手のサポーターが数多く本県を訪れることになりますことから、交流人口の拡大にもつながるといった観光面での効果も期待できます。 このため、県としましても、できる限りユナイテッドスポーツクラブのJリーグ入りを目指した活動に協力をしてまいりたいと考えております。 Jリーグ入りをするためには、県外の強豪チームに勝ち抜いて、アマチュアリーグであるJFLに昇格し、さらに、JFLでベスト4になることなどが必要であり、ユナイテッドスポーツクラブからは、まずは、練習環境として、試合会場と同じように芝が整備された施設の安定した確保が重要であると伺っております。 こうしたことから、県としましては、まず、県内の施設管理者と連携しながら、芝の練習施設を安定的に確保できるよう支援してまいりたいと考えております。 さらに、官民挙げた応援体制をしっかりと構築していくためには、ユナイテッドスポーツクラブの県内での認知度をさらに上げていくことも必要だと考えておりますので、試合情報や活動状況の広報などにも積極的に協力してまいります。 ■大野たつや 全国のプロ野球ファンに球春の到来を告げる春の風物詩でもあり、古くは阪急阪神定期戦とも呼ばれる黄金カードや最強時代の西武ライオンズ戦などが行われ、近年ではプレシーズンマッチとして、50年に渡り多くの県民を楽しませてきた、プロ野球春の1軍戦が今年は観られませんでした。 唯一の1軍戦を見る機会を失った多くの県民はがっかりし、また、1億から2億円程度とも試算された経済効果にも影響がでているとのことでありますが、一昨日の桑名議員の質問とも重複しますので特に答弁は求めませんが、私のほうからもプロ野球春の1軍戦の早期の復活により、野球王国と言われた本県において、特に子ども達に少しでも夢を見せられる場、機会を取り戻していただきますよう要請させていただきますとともに、今後プロ野球1軍の公式戦も招致、開催可能な環境整備の検討も併せて要請をさせていただいておきたいと思います。 (このページのTOPへ) 県産材の販売促進に向けた取り組みについて ■大野たつや 2020年東京オリンピックパラリンピックのメーンスタジアム「新国立競技場」のデザインを手掛ける建築家の隈研吾氏が、先般ゆかりのある梼原町へと来高され、新国立競技場の建設に県産材を活用したいとの考えを表明されました。 隈氏は梼原町の「雲の上ホテル・レストラン」をはじめ、「梼原町総合庁舎」や「町の駅ゆすはら」などを設計され、ゆすはら未来大使もつとめておられ、今回の新国立競技場の建築デザインに関して、「梼原町で学んだ「木を大事に生きるという哲学が」基本になった、梼原との出会いがなかったら国立のデザインもなかった、高知の木、梼原の木を新国立競技場に活用したい」と述べられています。 梼原町の森林は2000年に団体としては全国で初めて国際的な森林認証FSCも取得しており、新国立競技場への採用も夢でないと思います。 新国立競技場に高知県産材が採用されることは、今後、海外への木材輸出も進める本県にとって、県産材を世界に発信する絶好の機会、大きなチャンスになるのではないかと期待されますが、大野林業振興環境部長にお伺いします。 ●大野靖紀 林業振興環境部長 新国立競技場につきましては、昨年12月に、建築家、隈研吾氏の設計による整備が決定されました直後に、隈氏と関係の深い檮原町長が直接出向いて、高知県産材の採用を積極的に働きかけ、その後1月には隈氏本人が来高され、檮原町の状況を視察していただいております。 県では、平成26年2月以降、2020年の東京オリンピック、パラリンピック関連施設へのCLTを初めとする木材利用について、国や東京都、競技大会組織委員会などに対して、積極的に政策提言を行ってまいりました。こうした本県を初めとする、自治体や木材関連団体の積極的な働きかけの結果、新国立競技場整備事業の業務要求水準書などにおきまして、木材を積極的に利用することが盛り込まれたものと考えております。 新国立競技場を初めとする、オリンピック関連施設につきましては、これまでの例からみて、森林認証制度に基づく木材の採用が予測されております。 このため、県では、本県における森林認証材の供給可能量の調査を行いますとともに、県内に森林認証材を有する団体や加工事業者とその供給体制の整備についての協議を始めているところです。 東京リンピック、パラリンピック関連施設に高知県産材が採用されますことは、国内外に向けて非常に大きなアピールなると考えております。 今後は、認証森林からの原木を適切に加工できる事業体の育成に努め、森林認証制度に基づく木材製品の供給能力を向上させてまいります。 また、隈研吾氏と関わりの深い檮原町などと連携しまして、新国立競技場を初めとするオリンピック、パラリンピック関連施設への県産材の採用を働きかけてまいります。 (このページのTOPへ) 開幕が間近に迫る奥四万十博への期待と支援について ■大野たつや しまんとの日4月10日から須崎市、津野町、梼原町、中土佐町、四万十町の5市町の高幡地域を会場に奥四万十博が開幕します。 12月25日までの約9か月間にわたって、四万十川源流域の山や川から黒潮香る太平洋の海まで奥四万十地域には、豊かな自然と人情あふれる人々、そして地場の多くの特産物や食文化、自然が全国から多くの観光客を癒し、おもてなすこととなります。 奥四万十地域には、四国カルスト高原、ホビー館、農家民泊、カツオのたたき、鍋焼きラーメン、森林セラピー、栗焼酎などなど、枚挙にいとまないほどの観光資源があります。 さらに、昨年暮れのNHK紅白歌合戦に出場を果たした本県出身の演歌歌手、三山ひろしさんが、先月清流四万十川をテーマとした新曲を発表されました、四万十川を人生になぞられた歌詞には「いまは大河の四万十だけど、もとは山から湧いた水」というまさに奥四万十のことを歌っているかのようなフレーズもあり、今や全国的な人気歌手となったビタミンボイス、三山ひろしさんの新曲「四万十川」と奥四万十博との相乗効果にも期待がされています。 開幕が間近に迫る奥四万十博への期待と支援について伊藤観光振興部長にお伺いします。 ●伊藤博明 観光振興部長 color="#000000">4月10日に開幕します、2016奥四万十博につきましては、これまで奥四万十博推進協議会を中心に、全国的にも知名度の高い四万十川や四国カルストなどの雄大な自然を生かし、市町村ごとにイベントや体験プログラムの造成、磨き上げを進め、地域の食と土産物などを組み合わせた周遊コースづくりや市町村間をつなぐ公共交通やタクシープランづくりを進めてまいりました。 この2月に発行しました公式ガイドブックの春夏号では、200を越えるさまざまなメニューが提供をされております。さらに、誘客に向けたセールスプロモーション活動では、各市町の魅力的な景観、食などを紹介するプロモーションビデオを制作するとともに、旅行会社などへの精力的な営業活動により、既に、大手旅行会社7社のパンフレットへの観光情報の掲載や奥四万十博をテーマとした全国でのテレビ番組の放送などにつながっております。 また、2月末現在で、637名の地域の住民の皆様と396の企業団体が、奥四万十博サポーターとなり、博覧会のPRや観光客の皆様へのもてなしなどの取り組みが始められており、高幡地域の大きな盛り上がりにもつながっていると感じております。こうしたことから、多くの観光客の皆様にお越しいただけるものと、大きく期待しておりますし、お話にありました高知県観光特使でもある、三山ひろしさんの新曲もその追い風になるものと期待をしているところです。 県といたしましては、博覧会の準備段階から、県職員を推進協議会の事務局長として派遣するとともに、観光商品の造成や受け入れ体制づくりを支援し、さらに、首都圏や関西圏の旅行会社を対象にセールス活動を展開してまいりました。 今後も、県観光コンベンション協会などとも連携し、こうした取り組みを継続するとともに、広域観光を推進する仕組みが地域に根づいていくよう、推進協議会の運営面、体制面についてもしっかりと応援してまいりたいと考えております。 ■大野たつや 市町村の現状に対する知事の御答弁は、厳しい状況の中で頑張っている市町村のエールになったのではないかと思います。 今後、県と市町村、がっちり連携して、さまざまな取り組みが行われることを期待しています。 介護従事者の処遇改善について、処遇改善加算の県単とかの上乗せも、ぜひ将来は御検討いただければと思います。 障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領の策定の取り組みについて、障害者権利条約、障害者差別解消法の趣旨を十分に踏まえていただき、障害当事者、団体などの意見も十分にお聞きした上で制定をお願いし、市町村に対しても適切な策定の支援もお願いしたい。 尾ア知事と私は同学年でございまして、同学年とは言いましても、学校や学歴は全然違いまして、私たちの子供の時代は受験戦争とも言われた、そういう言葉ができたぐらい高校にしても、大学にしても、偏差値の高い、競争率の高い学校に行くのは大変困難な時代でした。 そんな時代に、過酷な競争に打ち勝って、県内、そして、国内最高峰の学校に行かれた尾ア知事は、大変な努力をされたのではないかと推察します。 卒業後は、財務省というこの国の中枢で活躍をされて、そして、ふるさと高知に帰ってきていただいて、そして、これまでの取り組み、大活躍を見たときに、同世代として、同学年として、誇りに思います。 将来は、我々の世代、そして田舎者の代表として、この国のリーダーを目指してほしい、なっていただきたいと思います。 このことに対して、答弁はお聞きしませんけれど、尾ア知事を初め、執行部の皆様に、こうして県議会の場で質問をさせていただき、丁寧な御答弁をいただきましたことに、改めて身が引き締まる思いがしました。この場に立たせていただいた多くの皆さまに改めて感謝を申し上げ、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 (このページのTOPへ) |
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